無口で頑固一徹、怒ると怖いが時々見せる優しい笑顔。
本当に必要な時にしか口を挟まない、基本は全て背中で語る。
そんなレトロで昭和な親父に憧れていた。
ところがどうだ。
口数多めで怒るどころか顔もニヤけ気味。
必要のない時にまで口を挟み、行事には前のめりで参加し、基本は背中を向ける事がない。
「え?声変わりまだ?」
そう思われそうなくらい、妙に高い声でムスメたちと接している自分がいる。
「こら!お父さんに言うよ!」
ツマがそう言えばムスメたちは縮こまり、そのひと言で全てが丸くおさまるような、そんな存在になる予定だった。
だが、今の調子でいくと将来的に、「こら!お父さんに言うよ!」とツマが言ったところで、ムスメたちは縮こまるどころか「え?お父さんに?やっほー!助かったー!」と伸び伸びする事だろう。
ムスメたちを目の前にすると、あの頃描いた理想の父親にはなれそうもない。
現実のワタシはそんなもんだ。
だからあの頃の理想はもう諦めた。
その分、ワタシの理想はムスメたちに委ねる事にした。
いいかムスメたちよ、父の理想こうだ。
『可愛くてモテない』
これだ。
可愛いとは容姿の見た目の事なんかではない。
まず何をするにも「あ、パパ」と真っ先にワタシを思い浮かべる心の可愛さだ。
料理をすれば「あ、パパに食べさせたい」
ショッピングに行けば「あ、パパにこれ似合うかも」
これだ。
この可愛さだ。
笑うなよ。引くなよ。
いいか、ワタシはいたって真面目にこれを打ち込んでいる。
そして最も大事なのは、次の『モテない』の部分だ。
何も相手の気持ちまでコントロールしろとは言わない。
どうして欲しいかと言うと、心に「パパが誰よりも愛してくれている」という、大きな大きなドアを置いていて欲しい。
そう簡単にそのドアは開けてはダメだ。
そのドアの鍵は、これまでのワタシとの『思い出』
この『思い出』を超えるようなワクワクが待っていない限り、絶対に開けてはダメだ。
ムスメは3歳と0歳。
まだまだ子ども。
今こんな事書く予定は全くなかった…
ちょっとハイボールもう一杯作ってきます。
…ゴクリ
えー、どうやら保育園でつむぎがモテているらしい。
その様子を、仕事中のワタシにツマは、「笑」や「^ ^」や「☆」などで締めくくった呑気なラインを送ってきた。
ワタシは日頃から水をよく飲む事を心がけているが、水を飲み過ぎたせいか、精神的ショックからかは分からないが、お腹を下した。
この精神的ショックは今日に始まった訳ではない。
つむぎのモテ話しがある度に、ツマは楽しそうに話してくる。
これはある意味、新手の家庭内暴力と言ってもいい破壊力だろう。
いつもならほろ酔いになるはずの量を飲んでも、今日は全く酔えない。
羨ましい。
正直、ムスメがモテる事を楽しめるツマが羨ましい。
同性の強みなのか、ワタシはいつだって複雑だ。
仕事中外へ出ると、目に入る枯れ果てた木を眺めながら、「まるでワタシの心のようだ」と、感傷に浸った。
でもこの木にあった葉は、枯れる前に綺麗に色付いた事をワタシは知ってる。
先日、つむぎが保育園の帰りに「パパに!」と言って持て帰ってきてくれた葉も同様だ。
ワタシもただただ心を枯らすのではなく、つむぎからもらった葉っぱを見て、綺麗に色付いている頃に心を戻そうと、家に帰るとその葉っぱを探した。
見事なまでに、ひかりがボロボロにしていた。
父親の理想と現実。
ハイボール、濃いめでもう一杯作ってきます。
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