まさか1週間以内に、ムスメ2人とも救急病院のお世話になるとは思いもしなかった。

早朝4時半、怒涛の1日が始まった。

「ひかりの体が熱くて、熱がある。おしっこの量も少ないし脱水気味かも。」

授乳中のツマのこの言葉で、ワタシも起きた。

前日はツマもワタシも深夜2時近くに寝た為、

約2、3時間の睡眠。ツマはもっと短い。

ボーっとする頭を叩き起こし、寝ているつむぎをそっと抱えて、

急いで病院へ向かう準備を。

この時間でも、体調を崩した子を大事に抱える親子もちらほら。

ここにいる親はみんな同じ気持ちだ。

〈全員元気になって欲しい。〉

ひかりの診察。

「熱が出てる以外は異常はなさそうなので、自宅で様子をみてもらう感じで大丈夫と思います」

医師からはそう言わた。

以前ひかりは生まれてすぐにも熱を出し、緊急入院をした事があった。

でも、その時のひかりはニコニコと微笑みかけてくれて、

まるで「大丈夫よ。心配いらないよ。」と、言っているようにも感じた。

親子には、家族には、感じ取ることの出来る、不思議なメッセージだった気がする。

その瞬間に、自然と不安感が抜けていったのを覚えている。

だが今回は違った。

医師から言われた言葉を聞いて、「良かったね」とひかりに目をやると、

「キツイ、キツイ」

そう訴えてる目をしていた。

後でツマに話そうと思い帰り支度を始めたが、それが間違っていた。

ひかりが一生懸命伝えようとした事を、おかしいと思われてもその場で医師に伝えるべきだった。

つむぎを連れて待合室をうろうろしていると、ツマが大声でワタシを呼んだ。

すぐに駆け寄ると、異常な嘔吐の量。

その嘔吐の音を聞いた医師もすぐに駆けつけて、そのまま点滴を。

嘔吐でツマもひかりも服がベタベタになったので、

とりあえずひかりにはワタシが着ていたTシャツを着させる。

点滴と血液検査の結果が出るまでに1時間はかかるという事で、

ツマの着替えを取り行くと同時に、つむぎはワタシの実家に預けに。

つむぎも早朝からよく頑張った。

血液検査の結果は、特に異常はなく、どこからかもらってきたウイルス性の発熱だろうと。

心底ホッとした。

ホッとしながらも、「やはりあの時ひかりはメッセージを送ってくれてたんだ」と反省した。

伝わらなかったから、自ら訴える様に大量の嘔吐をしたんだ。と。

偶然だろう。と思われるかもしれないが、ワタシにはそうだとしか思えなかった。

ひかりごめん。

7時半。

ようやく点滴も終わり、ひかりを連れて帰る事に。

手の甲に貼られた絆創膏に滲んだ血が、胸を強く締め付けた。

よく頑張った。

家に帰り少し寝た後、ツマとひかりはそのまま休ませ、

忘れちゃダメなのは「たくさん遊ぶ」と約束したつむぎ。

ここからはつむぎの番。

思い切り遊ぶモードにチェンジ。

実家に用意されたプールで遊ぶ。

「やっと来たか!」と聞こえてきそうな気配に、

「ごめん」とまた心の中で謝る。

楽しそうなつむぎを眺めながら、その笑顔をツマミに、ワタシもゆっくりと時間を過ごした。

つむぎは朝から起こった出来事がどんな状況なのか、

分かってるのかどうなのかはワタシには分からない。

ただ、ワガママ言わず、ツマやワタシの言う事を聞いてくれ、

笑顔で待っててくれるその様子に、強い信頼と感謝しかない。

楽しそうに笑うその笑顔に、こっちまで笑顔にさせてもらえる。

「本当にありがとう」

そう思いながら始まったスイカ割り。

ここまで楽しませてくれる両親にも感謝しながら、その様子をまた微笑みながら眺めた。

何度か頑張った後、スイカは見事割れた。

「お〜!すご〜い!」と拍手喝采の中、

スイカに飛びつくつむぎに、

ワタシの笑顔は苦笑いに変わった。

元気って証拠だと自分を納得させ、

ツマとひかりが待つ家へ帰った。

家族と歩む時間と経験がワタシの全て。

欠ける事なく、今夜も皆んなの寝顔を見れる事に、

改めて幸せを感じた。
ありがとう。ありがとう。

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サノパパ
ご覧いただきありがとうございます。 福岡より、ツマとムスメとムスコとワタシの、毎日『予定通りではない』日常を綴っています。子育ての楽しさを共感していただけたら嬉しいです。 長女 : つむぎ 次女 : ひかり 長男 : きよいち 三女 : つきか - パパはタノシイ -