『口うるさく言わない！』
何回そう決意したってそう簡単に変われることもなく、週の始まりというのに今日も朝からワタシはガミガミと。
特に今朝はひかりに対して。
登園前の朝は、Eテレを時計代わりに分単位でバタバタと準備に追われる。
ひかりは生活リズムが狂うと心が不安定になって涙することがあると以前先生から聞いた。
だから毎朝同じリズムでひかりが登園できるようにワタシなりに必死に朝を過ごしている。
〈これもひかりのため〉
そう思い込んでいたんだけれど。
結果的には”いつも通り”登園できたが、その”いつも通り”登園するために今朝はひかりに涙させてしまった。
一応仲直りをして笑顔で教室まで見送ったつもりだったけど、ひかりは何か言いたげに、そしてワタシに何か言って欲しげに1度入った教室から出てきてワタシに手を振った。
ワタシはそのまま保育園を後にしたが
その何とも言えないひかりの表情が頭からずっと離れなかった。
いつもなら〈まあそのうち忘れるかな〉くらいに思うところだが、何だか今日の表情は違って見えた。
家に帰って仕事のスケジュールを確認すると、明日にずらしてワタシが頑張ればどうにかなりそう。
そしてひかりの表情を思い返すと『今』どうにかして欲しそうだった。
あれはまだ言葉もあまり話せない2歳児が必死に送ってきたサインだと思い、ワタシは保育園に電話をして昼過ぎにひかりだけ早退させた。
迎えに行った時間はちょうどお昼寝中で、訳が分からない感じで教室から出てきたひかりを抱っこしてひかりがしたいことを尋ねた。
『公園で遊びたい』
ひかりがこう答えたから行き先は公園で決定。
でもの前に
『パパが早く迎えにきたけんおやつ食べてないやろ？おやつ食べに行こうか？』
ワタシがこう言うとひかりは笑顔でうなずいた。
ドーナツ屋に向かい、久しぶりにひかりと2人で。
いつもは『自分でできる？』と言ってしまっていたが、今日は手取り足取り甘やかせた。
ひかりがこれを望んでいたかは分からないけど、ワタシがそうしたかった。
ごめんねひかり。
ひかりをこの笑顔にするために朝は頑張って早く登園していたのに、パパのやり方がちょっと違ってたのかも。
でもこのリズムを崩したくないから、もっとパパもやり方や言い方を考えるね。
おやつの時間が終わったら、次はひかりのご希望通り公園へ。
いつもは子どもたち3人を見ながらの公園遊びだけど、今日はひかりだけを思い切り楽しませた。
午前中はすごく反省したけど、この笑顔が見れて心底ひと安心。
『ひかり、パパと遊ぶの楽しい？』
ワタシがこう尋ねると
『うん、でもつむぎとも遊びたい』
そう言ったひかりが大事に持っていたのは、クシャクシャになった小さな花。
聞くと保育園でつむぎがひかりにプレゼントしたらしい。
きっとつむぎの性格上、ワタシに叱られたひかりを元気づけたかったんだろう。
ありがとう、つむぎ。
ワタシ自身の仕事や作業は後回しにしてしまったけど
今日はこの判断で間違ってなかったと思う。
ひかりの笑顔がその答え。
パパもすごくすごく楽しかった！
ひかりまたこういった時間を作ろうね！
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