今朝のワタシは、「パパの顔」というよりも、
もはや「父の顔」で、つむぎを保育園まで送った。
目的はただひとつ。
そう、先日聞いたつむぎの好きな人らしい「〇〇くん」に、
「父」として、少し強めの握手をしに行く事だ。
– 大人気ない –
そんな言葉は既にワタシの辞書から破り捨てている。
つむぎを自転車の後ろに乗せ、さあ出発。
「どうだ!ワタシは今、つむぎと2人乗りをしている!〇〇くんよ!キミにはこれが出来るか!」
相手のいない所でも、見えない戦いは始まっている。
保育園(戦場)に到着。
今日はいつものようにヘラヘラとした雰囲気は出さない。
何故なら、今日のワタシは「父の顔」。
教室に入り、動揺を見抜かれない程度に目をキョロキョロとさせ、相手の登場を待つ。
着替えやタオルの準備を済ませ、布団カバーをつける為に下を向いている時、
ひとりの男の子が近づいてきた。
〈来たか〉
ゆっくり顔を上げると、どうやらワタシにとっては「初めまして」の顔。
〈ほう、君か…〉
「おはよう!」
まずはワタシが余裕の笑顔で先制。
〈さあ、おいで。男同士の戦いを始めようじゃないか〉
相手の出方を予想し、大人の脳をフル回転させて、更に次の一手まで準備ている中、
彼は話し始めた。
「ぼくね、つむちゃんの事が好きなの。」
〈ほーう、そうきたか。その潔さ、誠実さは評価してやろう〇〇くん〉
ごまかしのない、真直ぐな人間は好きだ。
だが今日は、「父」としてご挨拶。
当初の目的通り、強めの握手をする為視線を下ろすと、
付いていた名札の名前が目に入った。
聞いていた「〇〇くん」とは全く名前が違う。
いつぶりだろうか。
久々に目を見開いて、「えっ?」と声を出してしまった。
〈だ、誰だ、誰なんだキミは…〉
「あ、あー、そう。そうか。よろしくね。」
ありがちなドラマのような展開に、戸惑いを隠せなかった。
嘘のような本当の、更なる『恋敵』の出現。
恐る恐るつむぎに目をやると、
何を考えているか分からないくらい、無表情で仁王立ちをしていた。
きっとずっといつだって、父心は複雑だ。
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