今朝は少々騒がしい1日のスタートとなった。
6時30分。
つむぎがガサガサと動き出したのに気付き、ワタシも目が覚めた。
保育園は9時からで自転車で10分の距離だから、いつもは8時ごろ起きれば間に合う。
様子を見ていると、ムクッと起き上がり、そのままノソノソと歩き出し、黙って食卓の椅子に座った。
いつもの感じなら、1人でいる事に飽きてすぐにこっちに来るだろうと思っていたけど、一向に来る気配がない。静かな時間が流れているだけ。
ワタシも少し寝直したいが、騒いでくれていたら状況が何となく分かるから安心出来るのに、静かにされると逆に落ち着かない。
ぼーっと椅子に座っているつむぎに、「まだ少し早いけんこっちおいで。」と、ツマとひかりを起こさない様に小声で言うと、つむぎはワタシの方を見ず、どこを見ているのか分からない角度を見つめ「つむ、素麺キライなの。」と。
寝ぼけてるなこれは。
目は開いているけれど、素麺の夢を見ている途中だなこれは。
ゆっくりと布団まで誘導する最中も、「つむ、素麺キライなの。」とボソボソ。
起こさないように(目は開いているけれど)、ワタシは黙ってうんうんと頷きながら寝かしつけに成功。
8時。
短い二度寝から起き、いつも通りに朝の準備を始めていると、つむぎは急に「今日は保育園行かない!」と言って聞かなくなってしまった。
何度「行くよ」と言っても、「行かない!」の一点張り。
さて困った。
3歳児の言い出した事に対して、「話し合い」は通用しない。
こういった時、ワタシの場合は先ず『最終的にはどうするか』を心に揺るぎ無く決める。
もちろん、今朝1回の言葉では判断する事はない。
毎日しっかりと向き合って分かるムスメのちょっとした性格や、保育園で今何が行われていて、どうしてあげるのが今のムスメにとっての最善なのか。
これをしっかり考えた結果、今朝は「連れて行った方がこの子の為」と判断した。
当然、保育園は親の仕事等の都合により、代わりに面倒を見て頂いている場所だと分かっているので、ツマやワタシが見れる時は無理して行かせる事はしない。
今朝のつむぎを見ていると、最初に起きた時間がいつもと違ったせいで朝のリズムが崩れ、きっとそれで精神状態を乱しているんだろう。そう思った。
何より、今は保育園の運動会が近付いて、それの練習を楽しそうにしている様子を知っている。
だから、この状態だからって連れて行かずに、運動会の練習に参加させてあげない方が、後々「つむだけ出来ない」という寂しい思いをさせてしまうんではないか。そう思った。
「イヤなら休んでいいよ」
そう言って休ませるのが誰も疲れずに、何も考えずに済む一番楽な解決策なのは分かっている。
「ワガママ言うな!行くぞ!」
そう言って力尽くで連れてく事も、3歳児相手なら難しい事ではないのも分かっている。
でも、これらのやり方では何の意味もない。
『最終的』を決めたら、後はそこにどう導くか。
どう導けば、この子の今日が笑顔になるか。
そこを正解まで辿り着くのに必要なのは、親子の信頼や理解度の他はないと思う。
日々の生活で積み重ねてきた信頼関係が、ちょっとした問題をいい方向へ解決してくれる。
子どもの成長に目を背けると、いつかその目を背けた自分が自分を苦しめる事になる。
ワタシもまだ「親3年目」分からない事の方が圧倒的に多い。
でも確実に分かっている事は、「向き合う事」。
そうでしか分からない事しかないという事。
そして、散々向き合い色んな言葉をつむぎに投げかけた結果、ワタシの言葉たちよりも、好きな食べ物を与えた瞬間に機嫌が良くなり、元気に保育園に行ったという、親としては情けない事実が残った事。
子育てはやはり深い。
とは言え、「本当に嫌がっていたのを無理矢理連れて行ったとしたら可哀想な事をしたな」という思いと自信のなさが、仕事中ずっと頭に付きまとった。
帰り道、近所のコンビニでつむぎの好きなグミを買って帰った。
大柄な男が、自転車移動で汗だくのまま「アンパンマングミ」をひとつレジに持って行くと、レジの女性に商品とワタシの顔を2度見されているのが下を向いていても分かった。
ワタシが家に着くなり、つむぎは元気よく玄関先まで迎えに来てくれた。
「おかえり!それ何買ってきたとー!?」
ワクワクした目のつむぎにグミを渡すと、飛んで喜んでくれた。
後にツマから「つむちゃん今日はご機嫌でしたよ」と、担任の先生が言っていた事を教えてもらった。
心底ホッとした。
ワタシがこの子と向き合ってきた日々は、判断は、間違っていなかった。
今日は帰りが少し遅かったから、寝る前に絵本を1冊だけ読んだ。
ずっと笑ってて欲しいんだよ。
注意したり怒ったりもするから、幼ながらに「何で?」と思う事もあるだろけど、それはそのすぐ先に起こる出来事を笑っててもらう為だと言う事を、いつか分かってもらえたら嬉しいな。
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