「保育園行かない」
つむぎはそう言って、今朝はなかなか家を出ようとしなかった。
保育園では、自ら進んで輪に入って遊ぶタイプでもないし、本来の明るく元気な性格を出せている訳でもない。
だから、朝は気が気が進まないのは良く伝わってくるが、行ってしまえばそれなりに楽しんでくるのも知っている。
もうご飯も着替えも済ませたのに、ここに来て「行かない」と言いながら布団に横になるつむぎを、あの手この手で誘い出す。
「パパ1人で行ってしまうよ?」
「ママもひかりも出るから、1人になってしまうよ?」
いつもなら、「いやー!」と言いながら付いてくるはずが反応なし。
休ませたところで相手をしてあげられる訳でもない。
「さあどうやって連れ出そうか」と考えながら、ワタシは少し困りながらつむぎを眺めていた。
すると、流石はツマの”鶴の一声”。
「今日のおやつはピザトーストだってよ」
ワタシが何を言っても布団から離れようとしなかったつむぎは、ツマが言った「おやつはピザトースト」に釣られ、黙ってむくりと起き上がり自転車のヘルメットを手にした。
いやぁ、お見事。
無事に連れ出しに成功し、その後ワタシと自転車で保育園に向かった。
でも、つむぎを後ろに乗せて自転車を漕いでいる最中、ワタシの心のどこかには、「本当にこの子には居場所がなくて、本当に行きたくなかった場合、これで良かったのかな」そんな引っかかりが残ったままだった。
保育園に到着し、「さあ、どうやって見送ろうか」と思いながらつむぎを自転車から下ろした。
すると、そんなワタシの考え事が吹き飛んでしまうくらいの元気な声で、外遊びをしていた子たちが数人駆け寄って来てくれた。
「つむちゃんやっと来た!」
その言葉に心底安心した。
この子にも、こうやって迎え入れてくれる友だちがいる。
我が子に『仲良し』がいるだけでこんなにも安心するものなのかと、これも親になって初めて知った感情だった。
「つむぎと友だちになってくれてありがとう」
そんな思いでワタシは保育園を後にした。
素直に嬉しかった。
家では姉妹仲良もいいし、これにもすごく安心している。
愛する我が子が笑顔で話せる『仲良し』がひとりでもいてくれたら、親としてはすごく心強い。
ありがとう。
ありがとう。
そんな1日。
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