「何気なく」って言葉でしか説明のしようながいくらいに、
「何気なく」
つむぎを助手席に乗せて車を運転していた赤信号の待ち時間、
ワタシは両手の人差し指で赤信号を指差し、
「なれなれなれなれ〜」
そう言いながら、早く青信号にならないかな〜と、呪文の様に唱えた。
歩行者信号が点滅していたから、そろそろ変わるだろうと思って、「何気なく」。
その何気ない不自然な動きが、つむぎには不思議だったんだろう。
「なれなれなれなれ〜」とブツブツ呟くワタシをじっと見ては、
徐々にその指先にある赤信号へと視線が移る。
パッと青に変わった信号。
ワタシの呪文が信号の色を変えたと思い込んだのか、
「何気なく」では済まないくらいに、興奮しだすつむぎ。
その興奮が面白くなってしまい、赤信号で止まっては、
「パパが信号を青に変えるけん、パパの指を見てごらん。」と、
人差し指を信号に向けて、
「なれなれなれなれ〜」と呟いた。
信号が青に変わるたびに、
「おーーっ!!」と目を輝かせて喜ぶ姿が愛おしい。
「つむもやってみる!」
そう言って、つむぎも両手の人差し指を立てた。
「まだよ〜」と言いながら、青信号に変わる寸前のタイミングを見計らって、
「つむ、なれなれ〜してごらん!」のGOサインを出す。
時差式信号だったのか、なかなか色を変えてくれない赤信号。
「声が小さいっちゃない?もっと大きい声で言ってみりい。」
もう一度つむぎの背中を後押す。
信号が青に変わった。
「おーーーっ!!」
自分の指先から出たパワーが信号を変えたと信じて止まないつむぎは大興奮。
その純粋さにワタシは、実は指先のパワーではないと、
訂正する事が出来なかった。
今も毎回赤信号では、
「なれなれなれなれ〜」とつむぎは呟いている。
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