子どもたちが通う保育園は縦割りクラス。
教室には同じ年齢の子どもたちだけではなく異年齢の子どもたちが集まっている。
そのため、同じクラスにいる同級生は数人。
つむぎのクラスの同級生は7人。
ツマと話していると、どうやら先月つむぎがコロナで長期間欠席している間に自然と2人組のペアができているように感じたらしい。
当然、余った1人はつむぎ。
故意的に仲間はずれにされているわけではないけど、つむぎも自分から仲間に入るタイプではないから友だちと何も話さないまま帰宅することもあったらしい。
『迎えに行った時に教室から出てくる表情が前より暗くなった気がする』
そう言っていたツマが先日つむぎと一緒にお菓子作りを開始。
なかなか自分から話しかけて仲間に入るのは苦手でも、友だちのことは大好きなつむぎ。
『なにかしてあげたい!』
この気持ちはすごく強いから、ツマと一緒にクッキーを作ってそれを同じマンションに住むクラスメイトに渡しに行くらしい。
素敵な提案。
ひかりも一緒になって作って、クッキーが焼きあがったら手紙も添えてツマとムスメたちはお届けへ。
ところがその時はそのお友だちは外出中。
帰宅は22時頃になるとか。
いつもは21時が寝る時間のムスメたち。
手渡ししたい一心で待ち続け、22時を少し過ぎた頃に無事に渡せて笑顔で帰宅。
その翌日
近所の公園で遊んでいると偶然に昨夜クッキーを渡したお友だちに会った。
反応が気になってモジモジするつむぎ。
だがそのお友だちはつむぎに気がついているのかいないのか、別のお友だちと遊ぶのが必死。
つむぎはモジモジするだけでやはり話しかけることはできなかった。
『つむ、話しかけんでいいと?』
そう尋ねるワタシに
『うん!いい!』
元気に答えるもののやっぱり少し寂しげ。
本人がそう言うからワタシもこれ以上の後押しはやめて、その場はお友だちと話すことなく帰宅。
そしてその翌日
『お話しすることがあったらクッキーのこと聞いてみたら?』
そう言ってつむぎを保育園へ見送った。
夕方は仕事の都合でいつもより少し遅い時間にお迎え。
これまでも迎えが遅い時はいつも寂しそうな表情をしていたつむぎ。
〈しまった〜、今日も寂しそうにしてるかな…〉
ドキドキしながら急いでつむぎの教室に向かうと
あれ?
思ったよりも爽やかな表情で登場。
もしやと思い『クッキーのことお話しできたと?』と聞いてみると『ううん。お話ししてないよ』と答えるつむぎ。
だが続けて
『パパ、これもらったんだよ!』
そう言ってカバンから嬉しそうに取り出したのは1枚の手紙。
その手紙に書かれていたのが
お話しはできなくても、つむぎがそのお友だちを思ってとった行動とクッキーや手紙に込めた気持ちが届いて、こうやってちゃんとお友だちの気持ちが返ってきた。
つむぎはおしゃべりはちょと苦手でも、表現方法ならたくさん持っている。
今回はお菓子作りがそのひとつだった。
前はモジモジするだけで話しかけられなかった分
手紙を読みながら喜ぶつむぎの笑顔が嬉しかった。
伝わってよかったね。
喜んでもらえてよかったね。
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