ワタシは、ツマが作る『アップルパイ』が大好きだ。
世の中に溢れるほど数あるスイーツの中でも、圧倒的に好きだと言い切れる。
大学卒業後、ワタシは海外留学を決めていて、約1年、当時彼女だったツマとは離れての生活を送った。
出発間近、ワタシがツマにひとつお願いをしたのが、
「帰ってきたらまたアップルパイを作って欲しい」
「分かった」
ツマも迷わず返事をしてくれた。
あの感動的な約束を交わしてから1年が過ぎ、ワタシは帰国した。
ツマとの再会はもちろん嬉しかったが、そこには『アップルパイ』はない。
たった1年で浦島太郎にでもなってしまったんだろうか、そもそもあの約束はワタシの妄想だったのだろうか、そこには驚くほど普通の日常が待っていた。
りんごを見て、ただワクワクするだけの日々を繰り返した。
そして、早くも15年が過ぎた。
仕事から戻ると、つむぎが嬉しそうにツマのお手伝いをしていた。
「何しようと?」
ワタシが聞くと、
「今ね、ママとアップルパイを作りようと!」
つむぎは元気よく答えた。
「ん…?今何て言った!?」
遂に待ちに待ったこの日が来た!
「15年くらい経ったよね?」
ワタシがそう言うと、ツマは静かに笑っていた。
相変わらず美味しかった。
15年前よりも美味しさが増しているように感じたのは、きっとつむぎがツマのお手伝いをして、更にその様子をひかりが監視するという、愛情の3層で包まれていたからだと思う。
ありがとう。
そんな福で満ち溢れた我が家には、今年も外に追い出す気もなくなる鬼がやって来た。
追い出さないから、安心しなさい。
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