感情が揺さぶられる1日だった。
朝、まだ布団の上でだらだらとしていると、
「つむは保育園で好きな子おると?」
ムスメは3歳とは言え、まだ心の準備が出来ていないワタシの目の前で、
ツマは突然ムスメに尋ねた。
「ん〜」と考え出すムスメ。
〈考えるな。何も考えるな。〉心の中で呪文を唱えるワタシ。
「〇〇くん?△△くん?それとも〜…」待ったなしで質問を続けるツマ。
少し考え、
「〇〇くん!」
ムスメは元気に答え、ワタシは試合終了のゴングを聞かされたかのように、そっと目を閉じた。
「そっかぁ、つむの初恋は〇〇くんか〜!」
それでも女子トークを続けるツマ。
我慢の限界がきたワタシは、つむぎを強く抱きしめて急いで気持ちを伝えた。
「だめ!パパが一番つむのことをす…」
「やめてっ!!」
「好き」と言えるギリギリのところで、つむぎは大きな声を出してワタシの腕を振り払った。
振り払った時に、つむぎの手がワタシの顔にあたり、引っ掻くような傷が出来た。
「好きって伝えたかっただけなのに。」
ツマにそうつぶやくと、
「もう嫌とよ、そういうの。」
冷静かつ会心の一撃な一言に、白目をむいて頭が真っ白になりそうになりながら、
土曜日なので知育の教室へ向かった。
親のいないところで楽しそうに学び、あきらかな成長を見せてくれるムスメ。
嬉しい事。とても嬉しい事。
だけど、その成長を見ながらも、
「もう嫌とよ、そういうの。」
成長がもたらしたツマのこの一言が脳裏に浮かび、
少し成長に嫉妬してしまった。
家に帰り、ツマがワタシに、
「たまに、子どもたちが大きくなって家を出て行く日を想像すると寂しくなる。」
そう言ってきた。
今日のワタシの心のコンディションに、その言葉は響く。
同時に、「自分たちも親に対して、会いに行ける時はなるべく会いに行こう。」そう話した。
ワタシは誕生日が母と同じ日なので、実家にケーキを持ってお祝いをしに行く事に。
「パーピー!パーピー!誕生日パーピー!」
パーティー好きのつむぎは今夜も浮かれていた。
純粋無垢な笑顔や表情。
「パパ、ママ」と言って手を繋いでくる仕草。
「誕生日おめでとう!」と、家族でケーキを囲んでのお祝い。
止められない時間と成長を相手に、これからどれだけこれらを経験出来るだろう。
そして、「もう嫌とよ、そういうの。」
これがあと何回ワタシを待ってるんだろう。
顔と心にほんの少しの傷がついた、
そんな福岡、雨の土曜日。
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