「猪口(ちょこ)」…非常に器量・視野が狭い、もしくは無い人を「お猪口」「お猪口の裏」と揶揄する時に使われる。
昨日の日記で、つむぎと一緒に青春を謳歌したいとか書いておきながら、ワタシにはそれを受け入れる器量が無い事を思い知らされる1日となった。
つむぎは以前から「電車に乗りたい!」と何度もお願いしてくる事があった。
だが、コロナの事を考えると電車に乗せる気にはならず「他にしたい事は?」で気を紛らわせて続けていた。
今日も「電車に乗りたいよ〜」とお願いしてきたつむぎ。
ちょうど博多の方に行く用事があったから、行きは家族全員で車で行き、帰りはつむぎとワタシだけ電車で帰る事にした。
せめて片道だけでも。
そして、ただ電車で帰ってくるだけではつまらないからツマがつむぎにお使いのお願いを。
それと、せっかくだからつむぎが欲しい物を何かひとつ。
博多駅に着き、早速ツマから頼まれた『塩豆大福』を買いに。
駅内にある『鈴懸(すずかけ)』へ。
手を繋ぎ、「お店どこにあったっけ〜♪」とか言いながら歩く姿は正に恋人同然。
ワタシも、絶対につむぎを外側ヘ歩かせない徹底した彼氏ヅラ。
無事に『塩豆大福』を購入し、微笑み合う2人。
もう、これは誰も文句の付けようがない程の恋人。
次はつむぎが欲しいものを訪ねると「ジュース!」と言うので、ワタシはただニヤけた顔で黙ってうなずいた。
お店に着くと、つむぎ1人で買い物に行かせるツンデレな一面も見せるワタシ。
桃ジュースを注文。
はっきり言って、最高。
幸せ。
チョベリグ。(おっと失礼)
用事を済ませ、ようやくお目当ての電車に乗りに。
切符を買い、プラットホームまで「キャッキャ」言いながら手を繋いで。
待ち時間、念願の電車を目の前にワクワクを隠せない様子のつむぎ。
走る電車に向かい「バイバ〜イ!」と笑顔で手を振っていた。
〈カワイイやつめっ☆〉
未だ彼氏ヅラが抜けないワタシを一気に現実に戻し、さらに怒りの感情さえを芽生えさせたのは、到着した電車に同じタイミングで乗り込んだ学生カップルの存在だった。
当然、このカップルには何も非はない。
この約1時間、ワタシが勝手に頭の中のお花畑をスキップしていたのが全て悪い。
遠くに座ったその学生カップルにチラッと目をやると。
仲良さげに寄り添う2人。
彼女の事を我が物顔の彼氏。
幸せが溢れ出ている彼女。
〈…ちょ、ちょっと待て…近い将来…つ、つむぎも…こんな感じなのか!?〉
そう考えただけで、離れた席から勝手にイライラし始めるワタシ。
隣では、やっと電車に乗る事が出来て目を輝かせるつむぎ。
ワタシの頭の中のお花畑は一気に散り去り、途端に一面砂漠へと変わった。
潤いを求める様に桃ジュースを一口飲み、現実に戻り”親として”つむぎの手を再度握った。
いつかこんな風になるんだよな…。
つむぎにはつむぎの青春があるんよな…。
本来はムスメの幸せを喜ぶべきだよな…。
ちょっと泣きそうだった。
ごめんねこんなパパで。
子どもたちの思春期が来るまでに、おちょこからせめてマグカップくらいに器量を大きく出来るように成長します。
ワタシの気持ちを代弁するかの様に、電車に乗ってからすぐに充電が切れたスマホ。
電車に乗って喜ぶムスメの笑顔も残せてない自分が、更に情けない。
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