今日、我が家に新しいオーブンが届いた。
以前、ツマが「買おうか悩んでる」と言った時に、「いいやん、買ったら？」と背中を押したはずなのに、それからしばらくたっても届かなかったこのオーブン。
いてもたってもいられず、「オーブン買ってないと？」ワタシはツマに尋ねた。
「まだ悩んでる」と。
ツマが元々これを欲しがった理由が、「つむぎとお菓子作りをするのに、出来る幅が広がる」だった。
そして、つむぎもツマとお菓子作りをするのが好きな事を知っている。
「明らかにつむぎが喜ぶ事を、悩んで先延ばしにする必要はない。無理なものは無理でも、手の届く範囲の事なら喜ばせてあげよう」
ワタシは真っ直ぐの目で、熱くツマを説得した。
いや、少しでも早く説得する必要があった。
「ありがとう」
ツマはワタシにそう言ったが、そんなお言葉とんでもない。
全てはワタシの為だった。
1月も終わりに近づき、いよいよ来月のバレンタインデーが近づいてきた。
新しいオーブンの機能を知って、慣れるまでをバレンタインの当日から逆算すると、そろそろ家に届いてないといけない頃かな？という思いがあった。
その為の、熱い説得。
いいじゃないか。
ムスメを育てる父親の楽しみじゃないか。
バレンタインも、いつかは誰かの「ついで」でもらう日が来るんだろう。
いいじゃないか。
今くらい、あの手この手でこの喜びを独り占めさせてくれ。
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文中の「あなた」の部分を、読み聞かせる相手の名前に変えて読んでみてください。 ...
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